※こちらの記事は美容サロン全般の方が対象の記事になります。
こんにちは、美ヨウ部編集長のカワジリです。
今回も「ヨウ子さん」と一緒にすすめていきたいと思います!
ヨウ子さん、サロンで使用する「同意書」の準備は大丈夫でしょうか?
忘れていました。
気付いて良かったです!
では今回も復習も兼ねて、作成していきましょう!
美ヨウ部【How to Blog】の第2シリーズのサロン業務編
「美容サロン免責同意書と未成年者の同意書の作成方法」について説明していきます!
サロンで必要な同意書とは?
サロンで必要な同意書は2種類あります。
ヨウ子さん、サロンで使用する2種類の同意書はわかりますか?
ではその2種類の「施術の免責同意書と未成年者の同意書(親権者の同意書)」について説明していきます!
まずは施術の際に必要になる同意書「免責同意書」からです。
施術の同意書「免責同意書」とは?
ヨウ子さん、施術の同意書「免責同意書」はなぜ必要なのですか?
さすがです!
免責同意書は、サロン内でのサービスを通して起こってしまったトラブルに関して、サロン側の責任を免除することに同意した事を示す大事な書類になります。
たとえば、施術した2日後にお客様が自分でピーリングをして肌に赤みが出たとします。
同意書の文面に「施術後、1週間はピーリング剤などお肌に刺激になる行為は避けて下さい。」と記載されていれば、サロン側に責任がないとお客様に言えます。
しかし、施術の同意書がなくトラブルが起こってしまった場合、サービスを提供したサロンの責任になってしまいます。
同意書がない場合、施術料金の返金だけでなく、治療費や損害賠償が請求される可能性もあったりします。
トラブルはサロンにとって金銭的にも精神的にもダメージがあります。
当たり前の事ですが、トラブルのない施術を心がけ、もしもの場合はサロン側に非がない事を証明できる同意書を用意しておくことが大切になります。
では次に「未成年者の同意書(親権者の同意書)」について説明していきます。
「未成年者の同意書(親権者の同意書)」とは?
ヨウ子さん、「未成年」とは何歳までを未成年というかご存じですか?
その通りです。
民法の一部を改正する法律により、令和4年4月から「成年年齢は18歳」になりましたね。
18歳以下が「未成年」となります。
また、2022年4月1日以降に18歳になる方は、18歳の誕生日から成人となります。
でもなぜ、未成年の方に同意書が必要なのかを少し説明しておきます。
下記の文章は法務省サイトから引用
年齢十八歳をもって、成年とする。
民法第五条「未成年者の法律行為」
1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3.第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
簡単に言いなおすと、こういうことです。
1.未成年者は、親権者の同意がない場合は、契約することはできない。
2.親権者の同意なしで行った契約は、取り消すことができる。
3.未成年者は、お小遣い程度の金額であれば、親権者の同意なしでもお金を自由に使うことができる。
例えばの話ですが、未成年者の同意書を忘れていて、契約した場合大変な事になります。
親から「子供が勝手に契約したので、契約を取り消しして下さい!」と言われれば、10回分の契約で9回終わっていても「契約無効」で全額返金しないといけなくなったりします。
「契約の解除」ではなく「契約の取り消し」なので契約自体無効となり返金義務が生じます。
たまにあるパターンです。
だから、サロンは未成年者に対して契約行為をおこなう際に「未成年者の同意書(親権者の同意書)」が必要不可欠になるのです。
3.の金額の目安は難しところではありますが、高くても1万円程度ではないかと思います。
普通に考えて、学生が美容室で毎回毎回親に同意書を書いてもらうといった事はないでしょう。
皆さんもそんな経験はありませんよね?
エステサロンでいうと初回料金1万円以内程度であれば同意書は必要ないですが、2回目以降で1万円以上のコース契約や施術を受けるとなると必要になるといった感じです。
もちろん心配な方は初回から同意書を書いてもらうようにしましょう!
未成年者は法律で守られているんです。
はい、とても大事な書類になりますので「未成年者の同意書(親権者の同意書)」は必ず用意しておきましょう!
では次に施術の同意書「免責同意書」の作成方法について説明していきます。
施術の同意書「免責同意書」の作成方法
施術の同意書「免責同意書」の作成方法について説明していきます。
いちから作成するとなると結構大変な作業になりますので、日本エステティック業協会がサンプルで「同意書」の見本を出していますので、こちらを参考に作成してみましょう!
「施術同意書サンプル」をダウンロード
ヨウ子さんもダウンロードしておいて下さいね!
以下の内容は必ず同意書の内容に記載して下さい。
免責同意書に必要な内容
持病(既往歴)や通院歴に関する事項
既往歴「きおうれき」(これまでに経験した病気)やケガの通院歴を確認しましょう。
病気やケガの種類は様々で、場合によっては施術が原因で症状悪化してしまう可能性があることや、施術が難しくお断りするケースもあることを記載しておきましょう。
また治療中や通院中の場合、施術内容を主治医の先生に許可をもらう可能性があることを記載しましょう。
市販薬も同様、服用や使用されているかの確認は必須になります。
同意書記載文章
⇒例
・通院中の方やお薬の服用や使用されている方は、当サロンの施術について主治医にご相談の上、承諾をもらって下さい。
・施術部位に外傷や打ち身などの症状がある場合、施術できません。など
体質、肌質、アレルギーに関する事項
化粧品類を使用するエステサロンでは、体質や肌質、アレルギーは必ず確認して下さい。
敏感肌やアトピー性皮膚炎、かぶれ・赤みが出やすいなど事前に確認することで、施術後の肌トラブルのリスクを避けることができます。
カウンセリングの際に、施術によるリスクが高いと思われる場合は、施術をパッチテストまでの可能性があると記載しておきましょう。
同意書記載文章
⇒例
・お肌に痒みや赤みがある場合、またパッチテストでお肌に痒みや赤みが出た場合、お客様の安全を考慮してパッチテストまでとさせて頂きます。
・お肌の状態によって○○の施術後に赤みや痒みが出る場合がございますので予めご了承ください。など
妊娠に関する事項
妊娠中や出産直後、授乳中はホルモンバランスが乱れやすく体やお肌はとてもデリケートな状態になります。
使用する化粧品や施術機器によっては、胎児に影響を与える可能性があります。
何かあった場合、責任をとれるような問題ではなくなりますので、妊娠中のお客様には施術をしない。
あるいは美容機器を使用した施術はしないといった文章を記載しましょう。
同意書記載文章
⇒例
・妊娠している、またはその可能性があるお客様は当サロンの施術をお断りさせて頂いております。
・出産後3ヵ月以内の方は施術をお断りさせて頂いております。
施術当日の体調に関する事項
施術当日の体調についても記載しておきましょう。
普段は体質や肌質に問題がない場合でも、当日の体調次第でお肌にトラブルを引き起こすことがあります。
最低でも以下の項目については記載しておきましょう。
・発熱、傷病
・感染症の有無の疑い
・飲酒
・生理中
同意書文章
⇒例
・体調不良の方は施術はできません。
・飲酒後8時間以内の施術はお断りさせて頂いております。など
ざっと書き出すとこんな感じです。
いざ自分で作るとなると結構大変ですね。
ここまでは最低限のところです。
まだ足りないところも多いかと思いますので、考えられるリスクについては追記していきましょう。
またサロンでされる施術メニューごとの禁忌事項や注意事項もあるかと思いますので、そちらも合わせて追記していきましょう。
施術メニューが多い場合は、「フェイシャル同意書」「脱毛の同意書」など施術メニューごとに同意書を作成して使い分けても良いでしょう!
免責の同意書の作成手順としては
①冒頭に申告漏れや虚偽の申告があった場合サロンで責任を負えませんと記載。
②施術できない場合の禁忌事項を書き出し、チェック項目にする。
③施術断る場合がある禁忌事項を書き出し、チェック項目にする。
④施術のリスクとなる注意事項を箇条書き書き出す。
⑤上記のルールを守れない方は、施術でトラブルがあった際に責任を負いませんと記載。
⑥同意の上署名する欄を作成。
この順番で作成して頂ければ問題ないかと思います。
同意書を作成する際は、サロンで起こりうるさまざまなケースを想定し、少しでもリスクがある場合は「施術できません」とする文章を盛り込むことが重要になります。
私の同意書作成手伝って下さい。
みさなんと、ヨウ子さんには私が作成した「施術の同意書(ひな形)」をプレゼントしますので同意書がない方はご利用下さい。
美ヨウ部【施術の免責同意書】ひな形ダウンロード
編集できるように「Word」で作成していますので、自分のサロンオリジナルの同意書を作成して下さい。
それと同意書は自由に使用して頂いても結構ですが、自己判断でご使用頂き、クレームは受け付けていませんのでご了承下さい。
次は「未成年者の同意書(親権者の同意書)」の作成方法を説明していきます。
「未成年者の同意書(親権者の同意書)」の作成方法
未成年者の同意書の作成方法について説明していきます。
未成年者の同意書は以下の点を含めた内容で作成しましょう。
①同意書には、親権者ご本人の自署と押印が必要となるお願いの文章
②同意書を記入して頂く日付
③親権者が法定代理人としてサロンとの契約を同意しますという内容文章
④契約内容と回数・契約金額・お支払い方法・契約期間の記載
⑤契約者(未成年者)の氏名・住所・電話番号・生年月日・押印
⑥親権者(法定代理人)の氏名・住所・電話番号・生年月日・押印
⑦サロン情報(サロン名・代表者・住所・電話番号)
とこんな感じです。
特に決まった書式があるわけではないので、上記の事を踏まえて作成して頂ければと思います。
未成年者の契約でも、親権者の同意がいらない場合もあると説明しましたが、トラブル防止のためには親権者の同意はもらっておきましょう。
法律上問題がなかったとしても後で親権者から「料金についてクレーム」や「しつこい勧誘があったんじゃないかなど」のクレームが入ることがあります。
未成年者の契約には親権者に「施術の免責同意書・概要書面・サービス契約書・未成年者の同意書」の4つを1セットにして確認後、署名押印をしてもらいましょう。
ここまでやってクレームがでるようであれば、よっぽど施術が悪いぐらいしか思いつきません。
「未成年者の同意書」ひな形も作成しましたので、お持ちでない方はご使用ください。
美ヨウ部【未成年者同意書(親権者の同意書)】ひな形ダウンロード
「Word」で作成しておりますので、ご使用前にサロン名とサロン情報は打ち込んで下さい。
こちらも同意書は自由に使用して頂いても結構ですが、自己判断でご使用頂き、クレームは受け付けていませんのでご了承下さい。
ヨウ子さん、これで「施術の同意書」と「未成年者の同意書」の2種類の同意書は揃いましたね!
今回の「施術の免責同意書」と「未成年者の同意書」は以上になります。
では、まとめに入ります。
まとめ
ここまで記事をお読み下さりありがとうございました。
今回紹介した2種類の同意書は「概要書面・サービス契約書」と並び大事な書類になります。
健全なサロン経営をしていく上で、施術だけきちっとやっていれば良いといった事では済まされないことになりますので、必ず覚えておいて下さい。
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
また記事が「参考になった!」「良かった!」と思われる方は、ぜひ周りの方に教えてあげて下さいね!
たくさんの方にシェアして頂ければ私もこの記事を書いた甲斐があります!
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https://biyou-bu.com/salon-work/consent-form/
まとめです。
サロンで必要な同意書とは?
「施術の免責同意書」と「未成年者の同意書(親権者の同意書)」の2種類
施術の同意書「免責同意書」とは?
免責同意書は、サロン内でのサービスを通して起こってしまったトラブルに関して、サロン側の責任を免除することに同意した事を示す大事な書類。
同意書がない場合、施術料金の返金だけでなく、治療費や損害賠償が請求される可能性がある。
「未成年者の同意書(親権者の同意書)」とは?
18歳以下の「未成年者」とサービス契約には親権者の同意が必要。
「未成年者」は民法で下記の事が定められている。
1.未成年者は、親権者の同意がない場合は、契約することはできない。
2.親権者の同意なしで行った契約は、取り消すことができる。
3.未成年者は、お小遣い程度の金額であれば、親権者の同意なしでもお金を自由に使うことができる。
未成年者の同意書なく契約した場合、契約施術が終了または消化途中でも「契約の解除」ではなく「契約の取消し」ができ返金の義務が生じる。
2回目以降の施術で1万円以上のコース契約や施術を受けるとなると必要。
心配な方は初回から同意書を書いてもらう。
施術の同意書「免責同意書」の作成方法
免責同意書に必要な内容
禁忌事項
持病(既往歴)や通院歴に関する事項
体質、肌質、アレルギーに関する事項
妊娠に関する事項
施術当日の体調に関する事項は必須。
注意事項
サロンで提供する施術メニューのリスクとなる行為は注意事項に記載。
免責の同意書の作成手順としては
①冒頭に申告漏れや虚偽の申告があった場合サロンで責任を負えませんと記載。
②施術できない場合の禁忌事項を書き出し、チェック項目にする。
③施術断る場合がある禁忌事項を書き出し、チェック項目にする。
④施術のリスクとなる注意事項を箇条書き書き出す。
⑤上記のルールを守れない方は、施術でトラブルがあった際に責任を負いませんと記載。
⑥同意の上署名する欄を作成。
サロンで起こりうるさまざまなケースを想定し、少しでもリスクがある場合は「施術できません」とする文章を盛り込むことが重要。
美ヨウ部【施術の免責同意書】ひな形ダウンロード
免責の同意書は、自己判断でご使用頂き、クレームは受け付けていません。
「未成年者の同意書(親権者の同意書)」の作成方法
未成年者の同意書は以下の点を含めた内容で作成。
①同意書には、親権者ご本人の自署と押印が必要となるお願いの文章
②同意書を記入して頂く日付
③親権者が法定代理人としてサロンとの契約を同意しますという内容文章
④契約内容と回数・契約金額・お支払い方法・契約期間の記載
⑤契約者(未成年者)の氏名・住所・電話番号・生年月日・押印
⑥親権者(法定代理人)の氏名・住所・電話番号・生年月日・押印
⑦サロン情報(サロン名・代表者・住所・電話番号)
美ヨウ部【未成年者同意書】(ひな形)ダウンロード
未成年者同意書は、自己判断でご使用頂き、クレームは受け付けていません。
以上です。
次は、「顧客管理、予約管理」について解説していきます。