エステティックサービス契約書と概要書面の記入方法を解説

美ヨウ部、サロン業務編、エステティックサービス契約書と概要書面の書き方の解説

※こちらの記事は美容サロンを開業される方が対象の記事になります。
※2024年4月4日時点の最新の内容になります。

こんにちは、美ヨウ部編集長のカワジリです。

今回も「ヨウ子さん」と一緒にすすめていきたいと思います!

みなさん、よろしくお願いします!
ヨウ子
ヨウ子

ヨウ子さんはエステサロンで働かれていたので、「概要書面と契約書」の書き方は完璧ですよね?

は、はい。自信ないですが。
ヨウ子
ヨウ子

では復習も兼ねて、みていきましょう!

美ヨウ部【How to Blog】の第2シリーズのサロン業務編

「エステティックサービス契約書と概要書面の記入方法」について説明していきます!

 

エステティックサービス契約書と概要書面とは?

エステティックサービス契約書の書き方と概要書面の書き方を解説
エステサロンや美容サロンで特定継続的役務となるサービス「複数回のコース契約」を提供する際は、概要書面と契約書の2つを書面をお客様に交付する必要があります。

概要書面はサービス内容をお客様に説明した上で契約に至った旨を証明する書面の事で、契約書は概要書面を交付した後、契約を締結する際に必要な書面の事をいいます。

ヨウ子さんはご存知ですよね?

はい!もちろんです!
ヨウ子
ヨウ子

ではヨウ子さんに質問です!

概要書面と契約書が「必要な場合」と「必要ない場合」はどのような違いがありますか?

契約金額が5万円以上で、かつ役務提供期間が1か月を超える場合は必要ですよね!
ヨウ子
ヨウ子

そうですね!ありがとうございます。

特定商取引法では、契約金額が5万円を超え、且つ役務提供期間が1か月を超えるエステティックサービスを契約する際には「概要書面と契約書面」が義務付けられています。

また書面を交付する順番ですが、
事前に契約内容をお客様に説明⇒契約の前に「概要書面」の交付
「概要書面」の交付後⇒契約の締結時に「契約書」交付の順番になります。

間違っても、概要書面だけ、契約書だけ、なんて事にならないようにして下さいね。

概要書面、契約書を交付しなかった場合や契約書の内容に不備があった場合、契約は無効になります。

契約時は2つの書面で1セットです。

これからエステサロンや美容サロンを開業される方で、特定継続的役務「複数回のコース契約」のメニューを考えている方は、必ず必要になりますので覚えておいて下さいね。

セブンビューティーで販売してますのまだの方は下記から購入しておいて下さい。
<JEO> エステティック サービス契約書
<JEO> エステティック サービス概要書面

次に「概要書面」の書き方について説明していきます。

 

概要書面の書き方を説明【記入例】

エステ契約、概要書面記入方法(書き方)、記入例を解説
では表面から順番に「概要書面」の書き方について説明していきます。

①概要書面の交付日
お客様がご来店され、概要書面を交付した日時を記入

②氏名
お客様の氏名を記入

③入会期間
最近では入会金を頂くサロンはほとんどないかと思いますが、入会金を頂く場合は日付と金額を記入。
入会期間や入会金がない場合は、入会期間の横に「なし」と記入し、入会金も0円と記入。

④役務内容「コースの内容」
・コース名:略さず正式なコース名を記入
(例 ABC限定XXコース、EFGXXコース)

・時間:1回あたりの施術時間を記入
(例 60分または1時間)

・単価:1回あたりの単価を記入「コース金額を回数で割った金額」
(例 10回10万円のコースであれば1回単価は10,000)

・回数:コースの回数を記入
(例 10回)

・総時間:1回あたりの施術時間×回数
(例 600分または10時間)

・金額:コースの金額を記入
(例 100,000)

・合計:複数のコース申込がある場合はコースの合計金額を記入
(例 ABC限定XXコース10万円+EFGXXコース5万円=150,000と記入)

⑤役務提供機関
コースの提供期間を記入
(1年の例 2024年4月8日~2025年4月7日と記入)

⑥関連商品「コースを受けるにあたり必要な商品」
・商品名:略さず正式なコース名を記入
(例 XYZ美容液・XYZ美顔器)

・種類:商品の種類を記入
(例 化粧品・美顔器・食品・下着など)

・単価:商品の1つあたりの金額を記入
(例 11,000)

・数量:個数を記入
(例 1)

・金額:商品別合計金額を記入
(例 11,000)

・合計:複数の関連商品がある場合は商品の合計金額を記入
(例 XYZ美容液1.1万円+XYZ美顔器5.5万円=66,000と記入)

⑦お支払い総合計金額
入会金+コース合計金額+関連商品合計金額を足した金額を記入。
(例 入会金5,000円+コース代金15万円+化粧品/美顔器6.6万円=216,000を記入)

⑧お支払い方法及びお支払時期
・お支払方法
支払い方法に〇をする。

・お支払時期
支払い予定日を記入。

・金額(分割払い手数料含む)
お客様に支払って頂く合計金額を記入。

⑨サロンの情報を記入
サロンのゴム印があればゴム印を押し、なければ手書きでサロン名・代表者名・住所・電話番号を記入し、サロン印(代表者印)を押す。

⑩概要書面は最新版を使用しましょう。
2022.06が最新版になります。(2024.4現在)

概要書面裏面
エステ契約、概要書面記入方法(書き方)、記入例を解説、裏面

※1 クーリングオフについて
「JEO発表 2022年6月1日改正特商法施行に伴うエステティックサロンへの対応のお願い」

6月1日より、特定継続的役務契約に該当するエステティックサービス契約を締結した消費者はクーリング・オフが書面だけでなく「電磁的記録」(電子メールやFAX等)によっても可能となります。

それに伴い、法定書面のクーリング・オフに関する記載文書に「電磁的記録」の文言などを入れることが必要となります。

また、6月1日以降に修正されていない法定書面を使用することも可能ですが、別途文書を交付する必要があります。

これまでの解約方法は書面を郵送するか、直接サロンに出向き解約書面を提出しないと解約手続きができませんでしたが、2022年6月からはメールやFAXのやり取りで解約ができるようになりました。

概要書面、契約書とも2022年6月以前の法定書面は、「クーリング・オフ」関する記載文書に「電磁的記録」の文言を追記するか、追加で別紙を作成しなければならなくなりましたのでご注意下さい。

面倒な場合は、修正された新しい概要書面・契約書を使用しましょう。

⑪中途解約について「役務提供開始前」
役務提供開始前の解約手数料は上限2万円になりますので、上限の2万円を超えて請求することはできません。
⑪に20,000円と記入しましょう。

⑫通常の使用料相当額
式の空欄に「販売代金の 40%」と記入する。
エステティック業界統一自主基準によるパーセントの上限が40%です。
40%を下回っても問題はありません。

⑬前受金の保全措置について
保全措置は、前受金の全額または一部の返還を担保するため、金融機関との間に保証委託契約を締結している場合のみ記入します。
ほとんどのサロンは金融機関と保証委託契約をしていないかと思いますので「行っていません」に〇をして下さい。

中途解約の計算方法解説は下記に掲載しております。
計算方法解説を見る

次に「エステティックサービス契約書」の記入方法を解説していきます。

 

エステティックサービス契約書の書き方を説明【記入例】

エステ契約、エステティックサービス契約書の記入方法(書き方)、記入例を解説
では表面から順番に「エステティックサービス契約書」の書き方について説明していきます。

内容は概要書面とほとんど同じ内容になりますが、日付など間違わないように注意して記入していきましょう。

①担当者コード・氏名
担当者の名前と担当者コードがある場合は記入

②お客様欄
お客様欄をお客様に記入してもらいましょう。
顧客コードはサロンで振り分けた顧客管理番号を記入(会員番号など)

③入会期間
入会金を頂く場合は日付と金額を記入
入会期間や入会金がない場合は、入会期間の横に「なし」と記入し、入会金も0円と記入。

④役務提供期間
役務提供期間をお客様に説明した後、有効期間を記入

⑤役務内容
・コース名:略さず正式なコース名を記入
(例 ABC限定XXコース、EFGXXコース)・時間:1回あたりの施術時間を記入
(例 60分)・単価:1回あたりの単価を記入「コース金額を回数で割った金額」
(例 10回10万円のコースであれば1回単価は10,000)

・回数:コースの回数を記入
(例 10回)

・総時間:1回あたりの施術時間×回数
(例 600分または10時間)

・金額:コースの金額を記入
(例 100,000)

・合計:複数のコース申込がある場合はコースの合計金額を記入
(例 ABC限定XXコース10万円+EFGXXコース5万円=150,000と記入)

⑥関連商品「コースを受けるにあたり必要な商品」
・商品名:略さず正式なコース名を記入
(例 XYZ美容液・XYZ美顔器)

・種類:商品の種類を記入
(例 化粧品・美顔器・食品・下着など)

・単価:商品の1つあたりの金額を記入
(例 11,000)

・数量:個数を記入
(例 1)

・金額:商品別合計金額を記入
(例 11,000)

・合計:複数の関連商品がある場合は商品の合計金額を記入
(例 XYZ美容液1.1万円+XYZ美顔器5.5万円=66,000と記入)

・軽減税率対象「8%」:軽減税率対象商品に〇か✓を記入
美容食品や健康食品は軽減税率(8%)対象商品になります

⑦お支払い方法及びお支払時期
・お支払方法
支払い方法に〇をする。

・お支払時期
支払い日時を記入

・金額(分割払い手数料含む)
お客様に支払って頂く合計金額を記入

⑧前受金の保全措置について
保全措置は、前受金の全額または一部の返還を担保するため、金融機関との間に保証委託契約を締結している場合のみ記入します。
ほとんどのサロンは金融機関と保証委託契約をしていないかと思いますので「行っていません」に〇をして下さい。

⑨サロンの情報を記入
サロンのゴム印があればゴム印を押し、なければ手書きでサロン名・代表者名・住所・電話番号を記入し、サロン印(代表者印)を押す。

⑩契約書は最新版を使用しましょう。
2023.04が最新版になります。(2024.4現在)

サービス契約書裏面
エステ契約、エステティックサービス契約書の記入方法(書き方)、記入例を解説、裏面
⑪通常の使用料相当額
式の空欄に「販売代金の 40%」と記入する。
エステティック業界統一自主基準によるパーセントの上限が40%です。
40%を下回っても問題はありません。

次に「中途解約の返金金額」の計算方法を解説していきます。

 

中途解約について解説

契約完了後「役務提供開始前」の中途解約金について

役務提供開始前の解約手数料は上限2万円になりますので、上限の2万円を超えて請求することはできません。

「役務提供開始後」の中途解約金について

精算金 = お支払済総額 - ❶提供された役務の対価- ❷関連商品代金- ❸解約手数料といった計算方法で金額を出します。

❶提供された役務の対価: (1回当りの役務料金×利用回数)
(例 上記記載の役務を5回利用済の場合)
ABC限定XXコースの1回単価は1万円なので残り5回分は5万円
EFGXXコース1回単価は0.5万円なので残り5回分は2.5万円
足すと7.5万円が未利用の合計金額になります。❶は7.5万円

❷関連商品代金
関連商品とは、エステを受ける為に購入してもらった商品を『関連商品』といいます。
特商法ではエステティック契約を結ぶ際の関連商品として以下のものが規定されています。

4.ホームケア用の美容器3.下着「医薬品を除く」2.化粧品・石鹸・浴用剤1.健康食品関連商品

関連商品は、サービス契約書への記入が必須となりますので契約書に記入漏れがないよう注意してください。

お客様からの申出があり中途解約が成立すると、関連商品はサロン負担で「返金・回収」をしなくてはいけません。

回収時の送料もサロン負担となります。

中途解約の場合、関連商品は基本的に「返金」と「回収」が必要になりますが、使用済みだった場合は注意が必要です。

さらに関連商品が「消耗品」か「消耗品以外」とで返金額が変わってきます。

使用料相当額請求回収及び解約対象外消耗品意外消耗品4.ホームケア用の美容器3.下着「医薬品を除く」2.化粧品・石鹸・浴用剤1.健康食品関連商品が使用済の場合

使用料相当額とは、関連商品を中途解約して返還した場合の「通常の使用料に相当する額」とされています。

レンタル料金がひとつの目安になりますが、レンタルサービスをしていない場合がほとんどかと思いますので、販売代金を基準とした算出式を使用するのが一般的な方法になります。

使用料相当額の算出式についても、契約書への記載が必要になります。(契約書裏面の⑪です。)

「使用料相当額」の%は、エステティック業界統一自主基準で定められており「40%が上限」で、下回る場合問題はありません。

また記載がない場合は、契約不履行とみなされクーリングオフの適用となる可能性がありますので、関連商品を販売した場合は注意しましょう。

では実際に「関連商品の返金額」を計算していきます。

(例 上記記載のXYZ美容液11,000円・XYZ美顔器55,000円を半年利用済の場合)

「XYZ美容液」は化粧品になりますので、「消耗品」解約対象外商品になり「返金不要」となります。

「XYZ美顔器」は「消耗品以外」になりますので、「回収及び、使用料相当額の請求」が必要になります。

使用料相当額の算出式は
「使用料相当額」=販売代金の40%+{(販売代金-販売代金40%)✕(使用期間÷契約期間)}

「使用料相当額」=22,000円+{(55,000円-22,000円)✕(180日÷365日)}

「使用料相当額」=22,000円+{(33,000円)✕(0.4931)}

「使用料相当額」=22,000円+{16,272}

「XYZ美顔器使用料相当額」=38,272円

38,272円-送料(例900円)=37,372円

❷は37,372円になります。

❸解約手数料
解約手数料は2万円またはご契約残額(未消化役務残額)の10%に相当する額のいずれか低い方の額
(例 ❶の7.5万円の10%は7,500円と2万円の低い方の額)
❸は7,500円になります。

中途解約金の清算金を計算すると
お支払済総額 - ❶提供された役務の対価- ❷関連商品代金- ❸解約手数料=精算金
216,000円 - ❶75,000円- ❷37,372円- ❸7,500円=96,128円

96,128円がお客様に返金する精算金額になります。

ヨウ子さんはもちろん「解約時の精算金について」は把握してましたよね?

は、はい!
ヨウ子
ヨウ子

少し怪しいですが、復習もできたことですし大丈夫でしょう!

ではまとめに入っていきます。

 

まとめ

今回もここまで記事をお読み下さりありがとうございました。

書面の記入方法は簡単だったかと思いますが、解約時の計算方法がわからないといった方も多かったのではないでしょうか?

関連商品の販売が今はないサロンでも、いずれ取扱いすることもあるかと思いますので、サロンを経営する以上必要な知識として必ず覚えておきましょう!

またこの記事が「参考になった!」「良かった!」と思われる方は、ぜひ周りの方に教えてあげて下さいね!

たくさんの方にシェアして頂ければ私もこの記事を書いた甲斐があります!

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https://biyou-bu.com/salon-work/contract/

まとめです。

エステティックサービス契約書と概要書面とは?
特定商取引法では、契約金額が5万円を超え、且つ役務提供期間が1か月を超えるエステティックサービスを契約する際には「概要書面と契約書面」が義務付けられている。

概要書面の書き方を説明【記入例】
記入漏れがない様、必ず確認をする
概要書面は最新版を使用する

エステティックサービス契約書の書き方を説明【記入例】
記入漏れがない様、必ず確認をする
契約書は最新版を使用

クーリングオフ改定
2022年6月からはメールやFAXのやり取りで解約ができる

軽減税率対象「8%」:軽減税率対象商品に〇か✓を記入
美容食品や健康食品は軽減税率(8%)対象商品になる

中途解約について解説
「役務提供開始前」の中途解約金は2万円が上限

「役務提供開始後」の中途解約金について
精算金 = お支払済総額 - ❶提供された役務の対価- ❷関連商品代金- ❸解約手数料

エステを受ける為に購入してもらった商品を『関連商品』という

関連商品は、サービス契約書への記入が必須

中途解約が成立すると、関連商品はサロン負担で「返金・回収」をしなくてはならない
また関連商品が使用済みだった場合は対応が異なる

関連商品は「消耗品」か「消耗品以外」の2種類あり使用済みの場合
健康食品、化粧品、医薬品を除く石鹸、浴用剤は「消耗品」に該当
⇒解約対象外
下着、ホームケア用の美容器・脱毛器は「消耗品以外」に該当
⇒回収及び、使用料相当額請求をする

「使用料相当額」の%は、エステティック業界統一自主基準で定められており「40%が上限」

以上が「エステティックサービス契約書と概要書面の記入方法を解説」のまとめになります。

次回は「免責同意書と未成年の同意書」について解説していきます。

 

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